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2025.6.11 サイバー攻撃

SQLインジェクションとは?仕組み・被害事例・対策までわかりやすく解説

SQLインジェクションとは?仕組み・被害事例・対策までわかりやすく解説
企業のウェブサイトやシステムがサイバー攻撃の対象となることは、今や珍しくありません。中でも「SQLインジェクション(SQL Injection)」は、攻撃の歴史が古いにもかかわらず、依然として多くの被害が報告されている深刻な脆弱性のひとつです。
この攻撃によって、データベースに保存されている個人情報やパスワード、クレジットカード情報などが盗まれたり、ウェブサイトが改ざんされたりする恐れがあります。
本記事では、SQLインジェクションの仕組みと被害の実例を紹介しながら、どのような実装に脆弱性が生まれやすいのか、そして企業として今すぐ取るべき対策について、わかりやすく解説します。

目次

SQLインジェクションとは何か

SQLインジェクションとは何をする攻撃?

SQLインジェクション(SQL Injection)は、ウェブアプリケーションの入力処理の甘さを突き、攻撃者が本来想定されていないSQL命令を注入(インジェクション)して、データベースを不正に操作する攻撃です。

たとえば、ログインフォームや検索欄などのユーザー入力欄を通じて、データベースに直接命令を送ることが可能になってしまい、以下のような被害が発生するおそれがあります。

・会員情報や取引履歴など、本来見せてはいけないデータの閲覧
・商品情報や価格の改ざん
・データベース上の情報の削除・破壊


このように、アプリケーションの設計ミスや実装の油断ひとつで、甚大な情報漏えいや信用失墜につながる事故となり得ます。

※「SQLって何?」という方は、次の章を飛ばして SQLが分からない人向け:簡単なSQL解説 をお読みください。

SQLインジェクションの対象となるサイト

SQLインジェクションは、データベースとやり取りを行うウェブサイト全般が攻撃対象になります。
見た目がシンプルでも、以下のような機能を持つサイトは要注意です。
  • ブログサイト(CMSを使用し、記事投稿や検索などの機能がある)
  • ECサイト(商品検索・カート・注文機能・決済機能など)
  • 問い合わせフォームのある企業サイト(入力情報の保存や送信処理)
  • ログインフォームのある会員サイト(認証処理やユーザー情報の取得)
これらはいずれも、ユーザーの入力をサーバー側で処理し、データベースと連携しているため、SQLインジェクションのリスクがあります。

クレジットカードを直接扱っていないECサイトでも、SQLインジェクションのリスクはゼロではありません。
氏名や住所、メールアドレスなどの個人情報を保存していたり、外部決済への導線がある場合、その入口部分を狙われる可能性があります。

「うちはただの問い合わせフォームしかないから大丈夫」と思っていても、その入力内容を内部で処理している限り、攻撃対象となる可能性があります。見た目のシンプルさに関係なく、動的な処理があるサイトには、十分なセキュリティ対策が必要です。

SQLインジェクションの仕組みを分かりやすく解説

SQLインジェクションは、ウェブサイトの入力フォームや検索ボックス、URLパラメータなどを通じて行われます。
攻撃者は、これらの入力欄に不正なSQL文の断片を入力し、ウェブアプリケーションがそれをSQL文として処理してしまうことを狙います。
本来であれば、ユーザーの入力は適切に検証・無害化されるべきですが、そうした処理が行われていない場合、攻撃者の意図したSQL命令がそのまま実行されてしまいます。

例えば、ユーザーIDとパスワードを入力してログインする機能があったとします。
通常、アプリケーションは次のようなSQL文を生成して、データベースに照会します。

SELECT * FROM users WHERE user_id = '入力されたユーザーID';
しかし、攻撃者が以下のような文字列をユーザーID欄に入力した場合:
' OR '1'='1
アプリケーションがこれをそのままSQL文に組み込むと、次のようになります。
SELECT * FROM users WHERE user_id = '' OR '1'='1';
このSQL文は「ユーザーIDが空、または 1=1(常に真)」という条件を意味します。
その結果、認証を迂回して全ユーザー情報が取得されてしまう可能性があります。これがSQLインジェクションの典型的な動作です。

SQLが分からない人向け:簡単なSQL解説

SQL(Structured Query Language)とは、データベースを操作するための言語です。
ウェブサイトやアプリケーションの多くは、顧客情報や商品情報などをデータベースに保存しており、SQLを使ってこれらの情報を読み出したり、新しく追加したり、更新したり、削除したりします。

主なSQLの命令には以下のようなものがあります。

SELECT :データベースから情報を検索し、取り出す
INSERT :データベースに新しい情報を追加する
UPDATE :データベースの既存の情報を更新する
DELETE :データベースから情報を削除する

SQLインジェクションを理解する上では、「SQLはデータベースを操作するための命令文である」という点と、「ユーザーからの入力がSQL文の一部として使われることがある」という点を押さえておけば十分です。

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SQLインジェクションで起きる被害とは?4つのリスクを解説

SQLインジェクション攻撃が成功すると、企業や組織は甚大な被害を受ける可能性があります。ここでは、代表的な4つのリスクについて解説します。

機密情報の漏洩リスク

SQLインジェクションによって最も深刻な被害のひとつが、機密情報の漏洩です。
攻撃者は不正なSQL文を実行し、データベースに保存されている個人情報(氏名、住所、メールアドレス、電話番号、クレジットカード情報など)を外部に流出させることが可能です。
顧客情報や取引先情報、社内機密などが含まれる場合、情報漏洩は企業の信頼を大きく損ない、賠償責任や風評被害、取引停止といった重大な経営リスクにつながります。

ウェブサイトの改ざん被害

攻撃者がSQLインジェクションを利用して、ウェブサイトの表示内容を改ざんするケースもあります。
たとえば、トップページに無関係な画像や煽動的なメッセージを表示させたり、フィッシングサイトに誘導するリンクを埋め込んだりする行為が挙げられます。
また、マルウェアを仕込んで訪問者の端末に感染させるといった二次被害を引き起こす可能性もあります。企業の公式サイトが改ざんされると、閲覧者の信用を失い、ブランドイメージにも大きな傷がつきます。

フィッシングについては、下記の記事をお読みください。
横行するフィッシング詐欺。なりすまし偽サイトを防ぐ企業の対策方法とは?

データベースのデータ破壊や消去

SQLインジェクション攻撃では、閲覧や窃取だけでなく、データそのものを破壊・削除されるリスクもあります。
攻撃者がDELETE文やDROP TABLE文(テーブル自体を削除する命令)などを実行できる状態であれば、テーブル内のデータや構造そのものが一瞬で消されてしまう可能性があります。
特に、バックアップ体制が不十分な企業にとっては、回復が難しく、業務停止やサービス停止といった致命的な被害に直結します。

不正アクセスやシステム乗っ取り

データベースに保存された管理者アカウントの情報が窃取されると、そこからシステム全体への侵入経路が開かれてしまいます。
攻撃者は奪取した権限を使って、システム全体を不正に操作したり、サーバーを乗っ取って他の攻撃の踏み台にすることもあります。
このような事態が発生すれば、内部ネットワークの安全性が失われ、被害の範囲が社外にも拡大しかねません。

不正アクセスについては、下記の記事をお読みください。
不正アクセス対策とは?企業が取るべき対策の基本&実践ポイントを解説

SQLインジェクションの主な攻撃手口

SQLインジェクションにはいくつかの典型的な手口があります。ここでは代表的な3つの攻撃方法を紹介します。手口の違いを理解することで、防御策の優先順位が見えてきます。

最も基本的な「インラインクエリインジェクション」

インラインクエリインジェクションは、もっともシンプルで古典的な手口です。
攻撃者は、ログインフォームなどの入力欄に、SQL文として成立する文字列を直接挿入します。

たとえば、次のような入力です。
' OR '1'='1 
この文字列を使うと、ログイン処理のSQLは次のように変わります。
SELECT * FROM users WHERE user_id = '' OR '1'='1';
この結果、認証を回避して不正にログインできてしまいます。
手軽に使えるため、攻撃の初手として多用される手口です。

情報をじわじわ抜き取る「ブラインド型」

ブラインドSQLインジェクションは、エラーメッセージが表示されない環境で用いられる攻撃手法です。
画面の表示内容や読み込み時間の違いを手がかりに、攻撃者はデータベース内部の情報を少しずつ推測していきます。

たとえば、次のようなSQL文を入力することで、条件の真偽に応じてページの表示が遅れるように仕掛けることができます。
... AND IF(データベースの値が〇〇なら, SLEEP(3), 0)
このSQLは、「もし〇〇が正しければ3秒間処理を停止する」という命令です。
ページの表示が遅れた場合、攻撃者は条件が真であると判断し、繰り返し実行することで、ユーザー名やパスワードなどの機密情報を段階的に引き出していきます。

画面にエラーが表示されない場合でも、こうした手口により情報が漏洩するリスクがありるため、セキュリティ対策が万全に見えるシステムであっても、油断はできません。

別テーブルの情報を抜き取る「UNION型」

UNIONインジェクションは、SQLの「UNION演算子」を悪用して、通常アクセスできない情報を引き出す攻撃手法です。
UNION演算子は、本来、複数のSELECT文(データベースから情報を取り出す命令)の結果を一つにまとめるための機能ですが、攻撃者がこれを悪用し別のSELECT文を不正に結合させることで、意図しないデータを画面に表示させてしまいます。

例えば、次のようなSQLが実行される場合があります。
SELECT name, email FROM users WHERE id = '1'
UNION
SELECT credit_card_number, security_code FROM cards;
上記は、正規の「ユーザーの名前」と「メールアドレス」を取り出すSELECT文に、不正なクレジットカード情報のSELECT文を結合させた、UNIONインジェクションの一例です。
その結果、本来アクセスできないはずの別テーブルに保存されたクレジットカード情報などの機密データが、ユーザーの画面に表示されてしまう可能性があります。

このような攻撃を成立させるには、元のSELECT文と攻撃者が追加するSELECT文のカラム数やデータ型を一致させる必要があるため、攻撃者は何度も試行錯誤を重ね、クエリ構造を推測しながら実行します。

UNIONインジェクションは、他の攻撃手法よりも高いスキルを要するものの、成功すれば非常に広範囲な情報を抜き取られる危険があります。
特にログイン後の画面や検索機能など、データベースと連携して情報を表示する機能が狙われやすいため、入力値の検証やエスケープ処理の徹底が欠かせません。

攻撃手法のポイント比較

インライン型(インラインクエリインジェクション):
SQLに直接不正なコードを挿入する。成功すれば即座に結果が得られる。

ブラインド型(ブラインドSQLインジェクション):
応答の有無や遅延から推測する。検知されにくいが時間がかかる。

UNION型(UNIONインジェクション):
複数のSELECT文を結合して情報を抜く。成功にはカラム数や型の一致が必要。

SQLインジェクション脆弱性が生まれる原因

SQLインジェクションの脆弱性は、ウェブアプリケーションの設計や実装における不備が原因で生じます。 ここでは、代表的な原因を3つに整理して解説します。

入力値の検証不足

ユーザーがフォームやURLパラメータを通じて送信する値を、十分に検証していないと脆弱性が生まれます。
たとえば、本来は数値のみを受け付ける項目に文字列が入力できてしまったり、シングルクォートのようなSQLで特別な意味を持つ記号が除外されていなかったりすると、攻撃の足がかりになります。
また、入力値をそのままSQL文に使う前に、安全な形式に変換する「サニタイズ処理」が不十分な場合も、意図しない命令が実行される可能性があります。

動的にSQL文を組み立てている

アプリケーションが、ユーザーからの入力値を文字列として連結しながらSQL文を構成している場合、SQLインジェクションのリスクが高くなります。

たとえば、次のようなSQLが想定されます。
SELECT * FROM products WHERE name = 'テレビ'
このとき、攻撃者が次のような入力を行ったとします。
' OR '1'='1
その結果、実行されるSQLは以下のようになります。
SELECT * FROM products WHERE name = '' OR '1'='1'
このSQLは「商品名が空文字、または常に真となる条件」という意味になります。
そのため、本来絞り込まれるはずの商品情報が全件取得されたり、管理者以外が本来見られない商品情報にアクセスできる可能性があります。

このような実装では、入力にSQLの特殊文字が含まれていた場合でも、そのまま命令として実行されてしまいます。
その結果、本来意図していないSQL文が生成され、不正な情報取得やデータの改ざんといった攻撃につながるおそれがあります。

エラーをそのまま表示している

データベースでエラーが発生した際に、その詳細なエラーメッセージをユーザーにそのまま表示してしまうと、攻撃者にとって有益な情報を与える結果になります。 たとえば、次のようなメッセージが画面に表示されることがあります。
Unknown column 'credit_card_number' in 'field list'
このエラーメッセージから、攻撃者は次のような情報を把握できます。

・テーブルに存在するカラム名(この例では credit_card_number)
・該当カラムが存在しないことから、正しいカラム名の絞り込みも可能になる
・データベース構造に関する推測がしやすくなる

また、次のようなエラーも危険です。
You have an error in your SQL syntax near 'OR 1=1' at line 1
このようなメッセージが表示されると、SQLインジェクションの影響があることを逆に証明してしまうことになります。
そのため、アプリケーションではエラーの詳細は絶対に画面に表示せず、ユーザーには「予期せぬエラーが発生しました」「システムエラーが発生しました。しばらくしてから再度お試しください」などの一般的なメッセージのみを見せることが重要です。
内部的な詳細はサーバ側のログに記録し、開発者や運用担当者だけが確認できるようにしておく必要があります。

※ 詳細なエラーハンドリングの実装方法は、使用しているプログラミング言語やフレームワークによって異なります。必要に応じて公式ドキュメントなどを参照してください。

SQLインジェクションを防ぐために今すぐできる5つの対策

SQLインジェクションは、適切な対策を講じることで確実に防ぐことができます。ここでは、今すぐ実践できる具体的な対策を5つ紹介します。

1. プレースホルダ(バインド機構)を使う

ユーザー入力をSQL文に直接埋め込むのではなく、「プレースホルダ(バインド機構とも呼ばれます)」と呼ばれる仕組みで入力値を安全に扱うことで、SQLインジェクションを確実に防げます。

たとえば、以下のような実装が推奨されます。
SELECT * FROM users WHERE name = ?
入力値はSQL文とは別に扱われるため、どのような値が来ても命令として解釈されることはありません。多くの開発言語やフレームワークでこの仕組みが用意されています。

※実際のプログラミングでは、PHPや他の言語によってプレースホルダの記述方法が異なり、たとえばPHPでは「:user_id」のような名前付きの書き方が一般的です。

2. 入力値のバリデーションを徹底する

ユーザーからの入力値は、必ず事前に「正しい形式かどうか」をチェックしましょう。
たとえば、数値が必要な箇所では「数値のみか」を確認し、想定されない記号や文字列が入り込まないようにします。
  • × 何でも入力可能なフォーム
  • 〇 数字のみ・選択肢のみ・制限付きの文字列など
不正な入力を受け入れない設計そのものが、SQLインジェクションへの強力な防御となります。
IPA(情報処理推進機構)では、「安全なウェブサイトの作り方」の中で具体的なエスケープ処理の方法を解説しています。
参照:IPA「安全なウェブサイトの作り方 – 1.1 SQLインジェクション

3. エラーメッセージを画面に出さない

前章でも触れましたが、データベースの詳細なエラー内容を画面に表示すると、攻撃者にとって重要な手がかりとなります。
ユーザーには「システムエラーが発生しました」などの一般的な文言を表示し、詳細はログファイルにのみ記録するようにしましょう。

4. データベース権限を最小限にする

アプリケーションからアクセスするデータベースアカウントには、「本当に必要な操作だけ」を許可するようにしましょう。
たとえば、読み取り専用の画面であれば「SELECTのみ許可」、更新が不要な場合は「INSERTやDELETEは無効」とすることで、万が一侵入されても被害を最小限に抑えることができます。
万が一、SQLインジェクション攻撃が成功した場合でも、データベースアカウントの権限が適切に制限されていれば、被害を最小限に抑えることができます。これは「最小権限の原則」と呼ばれ、セキュリティの基本です。

5. 脆弱性診断ツールを活用する

公開中のウェブアプリケーションに対して、定期的に脆弱性診断を行いましょう。
SQLインジェクションの脆弱性が残っていないか確認するには、専門の診断ツールを活用するのが効果的です。
ウェブアプリケーションの通信内容や応答を解析し、不正なリクエストに対する挙動を自動でチェックしてくれるため、目に見えにくい脆弱性も見つけやすくなります。

社内に十分な知識がない場合は、外部のセキュリティ診断サービスを活用することも選択肢の一つです。
無料・有料の脆弱性スキャナや、外部の専門家による診断サービスなどを活用すれば、自分では気づけないリスクも洗い出すことができます。
また、セキュリティアップデートの適用も忘れずに行うことが重要です。

WAF(Web Application Firewall)の導入

WAF(Web Application Firewall)は、ウェブアプリケーションの前面で通信を監視し、SQLインジェクションやXSSなどの不正なリクエストを検知・遮断するセキュリティ製品です。
既存のアプリケーションを改修せずに導入でき、比較的短期間でセキュリティを強化できる点が特長です。

ただし、WAFはあくまで補完的な対策であり、アプリケーション側の根本的な修正と併せて導入することが重要です。

WAFについての詳しくは下記記事をお読みください。
WAFとは?仕組み・種類・メリット・選び方をわかりやすく解説【企業向けセキュリティ対策】

サイトに脆弱性があるか確認する3つの方法

ウェブサイトにSQLインジェクションなどの脆弱性が残っていないかを確認することは、事故を未然に防ぐために欠かせません。
ここでは、実際のサイト運用で役立つ3つの確認方法を紹介します。

1. 開発中に入力値のチェックを徹底する

サイトやシステムの開発時点で、ユーザー入力がどのように処理されているかを確認しましょう。
特に、データベースと連携する箇所(ログイン画面、検索機能、問い合わせフォームなど)は注意が必要です。
外部から渡される値が、そのままSQL文に組み込まれていないかを確認するだけでも、大きなリスクを減らすことができます。

2. ブラウザから実際に不正入力を試してみる

簡易的なチェック方法として、以下のような値をフォームやURLパラメータに入力し、サイトの挙動を確認する方法があります。 ‘ OR ‘1’=’1 これにより、意図しない検索結果が表示されたり、エラーが返されたりした場合は、SQLインジェクションのリスクがあるかもしれません。
ただし、本番環境で試すのは避け、必ずテスト環境で実施しましょう。

3. 脆弱性診断サービスやツールを活用する

サイトの規模や技術体制に応じて、専門の診断サービスやスキャナツールの活用も検討しましょう。
自動で疑似攻撃を行い、SQLインジェクションのような脆弱性がないかを洗い出してくれます。
前章で紹介したWAFや外部の診断会社とあわせて活用することで、より安心してサイトを運用できます。

まとめ:根本対策とサイバー保険で万全の備えを

SQLインジェクションは依然として深刻な脅威であり、情報漏洩やサイト改ざんといった甚大な被害を引き起こします。
本記事で解説した仕組みの理解適切な対策が不可欠です。
しかし、100%の防御は難しく、どれだけ備えていても「ゼロリスク」にはなりません。
万が一の情報漏えいや営業停止などに備える手段として、サイバー保険の導入も効果的です。

サイバー保険に加入しておけば、万一インシデントが発生しても、以下のような補償や支援が受けられます。
  • 原因調査やシステム復旧にかかる費用
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よくある質問(FAQ)

Q1. SQLインジェクションはどんなサイトでも起こり得るの?

はい。小規模な個人サイトから大企業のシステムまで、データベースと連携する仕組みがある限り、対象になり得ます。
特に、フォームや検索機能など、ユーザーの入力を処理する部分は注意が必要です。

Q2. WordPressなどのCMSを使っている場合も危険ですか?

はい。脆弱なプラグインやテーマを使っていたり、更新を怠っていたりすると、SQLインジェクションの標的になる可能性があります。
WAFの導入や定期的な脆弱性診断が推奨されます。

Q6. HTTPSにすればSQLインジェクションは防げますか?

いいえ、防げません。HTTPSは、通信経路を暗号化して盗聴や改ざんを防ぐ仕組みですが、SQLインジェクションはアプリケーション内部の脆弱性を狙った攻撃です。
つまり、HTTPSは「通信の安全」、SQLインジェクション対策は「内部処理の安全」を守るもので、守るべきレイヤーが異なります。
安全なウェブ運営のためには、両方の対策を行うことが基本です。

Q7. フレームワークを使えばSQLインジェクションの心配はありませんか?

多くの近代的なフレームワーク(例:Laravel、Rails、Djangoなど)には、SQLインジェクションを防ぐ機能が組み込まれています。
たとえば、プレースホルダやORM(オブジェクト関係マッピング)などを正しく使えば、脆弱性のリスクは大幅に減ります。
ただし、フレームワークの機能を無効にしたり、独自にSQL文を組み立ててしまった場合には、逆にリスクが発生します。
安全に使うには、フレームワークのセキュリティ機能を理解して、正しく利用することが重要です。

Q3. SQLインジェクションとクロスサイトスクリプティング(XSS)はどう違うの?

SQLインジェクションはデータベースを狙う攻撃、XSSはブラウザ上でスクリプトを実行させる攻撃です。
目的も手口も異なりますが、どちらもユーザー入力の扱いが原因で発生するという共通点があります。

Q4. SQLインジェクションが発生すると、どのような被害がありますか?

以下のような被害が報告されています。
・個人情報やカード情報の漏えい
・アカウント乗っ取り
・管理者パスワードの取得
・不正なデータ改ざん
・システムダウンや営業停止

Q5. セキュリティ対策をしていれば、保険はいらない?

どれだけ対策していても「絶対に安全」とは言い切れません。
万が一の事故に備えて、技術的対策とサイバー保険の両方を取り入れるのが望ましいです。

Q8. SQLインジェクションについて学ぶのにおすすめの資料は?

以下の資料が信頼性・実用性ともに高くおすすめです。

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 実例と対策が豊富で、開発者にとって実践的です。
🔗 OWASP「SQL Injection
 世界的に認知されたセキュリティ団体であり、公的なセキュリティガイドラインとして広く使われています。
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