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2025.10.20 セキュリティ対策

脆弱性管理とは?企業が今取り組むべき理由と始め方をわかりやすく解説

脆弱性管理とは?企業が今取り組むべき理由と始め方をわかりやすく解説
企業のセキュリティ担当者として、日々増え続けるサイバー攻撃の脅威に頭を悩ませていませんか。
特に、システムの「脆弱性」は攻撃者にとって格好の標的となります。この脆弱性に適切に対処するための活動が「脆弱性管理」です。
本記事では、脆弱性管理の基本的な知識から、具体的なプロセス、成功させるためのポイントまで、担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。


脆弱性管理とは?セキュリティ担当者が知るべき基本

脆弱性管理は、サイバーセキュリティ対策の根幹をなす重要な活動です。
サイバー攻撃の手口が多様化する現在、脆弱性を継続的に把握し、適切に修正していく仕組みの構築が欠かせません。
まずは、その基本的な定義と、よく混同されがちな「脆弱性診断」との違いについて正確に理解しましょう。

脆弱性管理の基本的な定義

脆弱性とは、コンピューターのOSやソフトウェアにおけるプログラムの不具合や設計上のミスが原因で生じる、セキュリティ上の欠陥を指します。
いわゆる「セキュリティホール」とも呼ばれ、攻撃者に悪用されると不正アクセスや情報漏えいなどのリスクを引き起こすおそれがあります。

こうした脆弱性を継続的に把握・修正し、システムを安全な状態に保つための仕組みが「脆弱性管理」です。
脆弱性管理とは、組織のコンピューターシステムやソフトウェアに存在する脆弱性を特定・評価・対処・報告していく一連のプロセスを指します。
この活動は一度きりで終わるものではなく、新たな脅威に対応するために継続的に実施されるライフサイクルとして運用されることが重要です。

脆弱性管理は、脆弱性を早期に特定し、適切に対処することでシステムの安全性を確保し、結果として組織全体のセキュリティリスクを最小限に抑えることを目的としています。

【参考】よく見られる脆弱性の種類と傾向(IPA「情報セキュリティ白書2024」より)

IPA(情報処理推進機構)の分析によると、報告された脆弱性のうち クロスサイト・スクリプティング(XSS)が17.5%で最も多く、 次いでSQLインジェクション(7.9%)が続きます。 これらは入力値の検証不足やエスケープ処理の欠如など、 Webアプリケーションの基本設計に起因するものです。

こうした統計からも、脆弱性対策はソフトウェア更新だけでなく、 安全な設計・開発(セキュアコーディング)の徹底が重要であることが分かります。

※出典:IPA「情報セキュリティ白書2024」第1.2.4章「情報システムの脆弱性に関する動向」

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脆弱性管理のプロセス

実際の運用では、脆弱性管理は次の4つの段階で進められます。 それぞれの段階の目的と内容を簡潔にまとめると、次の表のとおりです。詳細は「脆弱性管理の基本的な4つのプロセスと役割」の章で解説します。

プロセスの段階 主な活動内容
特定・識別 ネットワークやアプリケーションをスキャンし、潜在的な脆弱性を発見します。
評価 発見された脆弱性の深刻度(CVSSスコアなど)やビジネスへの影響を分析し、対応の優先順位を決定します。
対処・修正 優先順位に基づき、パッチの適用や設定変更などの修正作業を行います。
報告・再評価 対処結果を関係者に報告し、修正の有効性を確認して再評価を行い、必要に応じて改善計画を更新します。

脆弱性診断との違いを解説

脆弱性診断は単発的な検査であるのに対し、脆弱性管理はその結果を踏まえて継続的に改善していく活動です。
両者の違いを理解することが、効果的なセキュリティ運用の第一歩となります。

脆弱性管理と脆弱性診断は、どちらも脆弱性に関わる活動ですが、その目的と範囲に大きな違いがあります。
脆弱性診断は、特定のシステムやアプリケーションに対して、特定の時点での脆弱性の有無を検査する「点」の活動です。
一方、脆弱性管理は、組織全体のIT資産を対象に、脆弱性の発見から修正までの一連のプロセスを継続的に回していく「線」の活動です。
脆弱性診断は、この脆弱性管理のプロセスの一部である「特定・識別」のフェーズで活用される手法の一つと位置づけられます。

なぜ今、脆弱性管理が重要視されるのか?

近年、多くの企業で脆弱性管理の重要性が叫ばれています。その背景には、企業を取り巻く環境の急激な変化があります。
サイバー攻撃の増加に加え、DXの加速や法規制の強化など、組織を取り巻く要因が複雑化している今こそ、脆弱性管理の仕組みが不可欠です。

ビジネスを脅かすサイバー攻撃の増加

サイバー攻撃の手法は年々高度化・巧妙化しており、企業にとって深刻な経営リスクとなっています。特に、システムの脆弱性を狙った攻撃は後を絶ちません。

IPAの「情報セキュリティ白書2025」によると、ソフトウェアやWebサイトに関する脆弱性の届出件数は2024年に632件となり、前年とほぼ同水準で高止まりしています。特にWeb関連の届出が半数を上回っており、クラウド利用やDX推進の広がりに伴い報告活動が高水準で推移しており、脆弱性報告は依然として活発に行われています。
脆弱性が放置されたままだと、不正アクセスや情報漏洩、ランサムウェア被害などに繋がる可能性が高まります。
事業継続を脅かすこれらの攻撃から企業を守るために、脆弱性管理は不可欠な対策となっています。

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DX推進による攻撃対象領域の拡大

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、クラウドサービスの利用やテレワークの普及が進み、企業のIT環境は複雑化しています。これにより、攻撃者が侵入を試みる可能性のあるポイント、いわゆる「攻撃対象領域(アタックサーフェス)」が拡大しています。クラウド化やAPI連携が進むほど、脆弱性の管理範囲は企業の境界を超えて拡大しています。
管理すべきIT資産が増加・分散する中で、企業はこれらを網羅的に把握し、継続的に対処する必要があります。そのため、脆弱性管理の重要性はますます高まっています。
境界を越えたIT資産を適切に管理するためには、ガバナンスや法的要件を含めた包括的な脆弱性管理体制が求められます。

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コンプライアンス・法規制への対応

脆弱性管理は、企業の信頼性を守るだけでなく、各種法令の遵守にも直結します。
多くの業界では、セキュリティ基準に基づき、定期的な脆弱性評価が義務付けられています。
例えば、個人情報保護法や情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC 27001)、クレジット業界のPCI DSSなどでは、継続的な脆弱性管理の実施が求められます。

こうした対応を怠ると、行政指導や報告義務違反に発展し、経営層や役員に説明責任が及ぶこともあります。
適切な管理を継続することは、コンプライアンス要件を満たすだけでなく、企業の社会的信頼を維持する上でも不可欠です。
万が一、脆弱性を放置して情報漏えいなどの重大インシデントが発生した場合、取引先や顧客との信頼関係にも影響が及ぶおそれがあります。

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脆弱性管理の基本的な4つのプロセスと役割

効果的な脆弱性管理を行うためには、体系化されたプロセスに基づき、継続的かつ計画的に実施することが求められます。
一般的に、脆弱性管理のライフサイクルは「特定」「評価」「対処」「報告」の4つのステップで構成されます。

ステップ1:脆弱性の特定と識別

最初のステップは、自組織のIT資産にどのような脆弱性が存在するかを網羅的に特定・識別することです。これには、専用のスキャンツールを用いてネットワーク機器、サーバー、PC、アプリケーションなどを定期的にスキャンする方法が一般的です。スキャンによって、OSやソフトウェアのバージョンが古い、設定に不備があるといった問題点がリストアップされます。
最近では、クラウド環境やリモート端末など多様化したIT資産を正確に把握するため、資産管理ツールや構成管理データベース(CMDB)と連携したスキャン運用が主流になっています。

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ステップ2:脆弱性の評価と優先順位付け

特定されたすべての脆弱性に同時に対応するのは難しいため、ビジネスへの影響度や悪用の可能性を踏まえて、深刻度を評価し優先順位を決定します。
評価には、共通脆弱性評価システムであるCVSS(Common Vulnerability Scoring System)のスコアなどが参考にされます。

補足:CVSS(Common Vulnerability Scoring System)とは?

CVSSは、脆弱性の深刻度を0.0~10.0の数値で表す国際的な評価基準です。
攻撃のしやすさ(攻撃経路や認証の要否など)と、攻撃が成功した場合の影響度(機密性・完全性・可用性への影響)をもとに算出されます。

スコアはおおむね次のように区分されます。
9.0~10.0:緊急 / 7.0~8.9:高 / 4.0~6.9:中 / 0.1~3.9:低
CVSSスコアは「技術的な深刻度」を示す指標であり、実際の対応ではシステムの重要度や公開範囲などのビジネス的要素も加味して判断します。

評価では、脆弱性そのものの深刻度に加え、システムの重要度や外部公開状況など、ビジネス上の影響範囲も考慮します。

ステップ3:脆弱性の対処と修正

優先順位付けの結果に基づき、脆弱性に対する具体的な対処を行います。最も一般的な対処法は、ソフトウェア開発元から提供されるセキュリティパッチを適用することです。その他、セキュリティ設定の変更、不要なサービスの停止、ファイアウォールによる通信制御などの緩和策を講じる場合もあります。 なお、業務上すぐに修正ができない場合には、アクセス制御やネットワーク分離など、暫定的なリスク低減策を講じることも有効です。

この「対処と修正」の段階は、IPAが示す「脆弱性対策」に該当します。OSやソフトウェア、ネットワーク機器を常に最新状態に保つことや、公開された脆弱性情報への迅速な対応体制を整備することが、実効性ある管理サイクルの要となります。

これにより、脆弱性を悪用した侵入や被害拡大を防ぎ、継続的なセキュリティ強化につながります。

ステップ4:脆弱性の報告と再評価

対処が完了したら、その結果を関係者に報告し、記録します。そして、対処が正しく行われ、脆弱性が解消されたことを確認するために、再度スキャンを実行して検証(再評価)します。 この検証作業により、対処漏れや、パッチ適用によって新たな問題が発生していないかを確認できます。このサイクルを継続的に回すことで、セキュリティレベルを維持・向上させていきます。
再評価の結果や対応履歴は記録として蓄積し、今後の改善計画や教育・訓練にも活用します。

脆弱性管理における担当部門と役割の例

※本表は一例です。組織規模や体制によって役割分担は調整してください。
ステップ 主な担当部門 主な役割
ステップ1:特定と識別 情報システム部門/セキュリティ担当 IT資産のスキャン、構成情報の把握、脆弱性の特定
ステップ2:評価と優先順位付け 情報システム部門(+管理部門) 深刻度評価、ビジネス影響分析、対応方針の決定支援
ステップ3:対処と修正 情報システム部門/開発部門/委託先ベンダー パッチ適用、設定変更、暫定措置の実施
ステップ4:報告と再評価 情報システム部門(+管理部門・経営層) 対応結果の報告、再評価(再スキャン)、改善計画の策定

脆弱性管理を導入する3つのメリット

脆弱性管理を適切に導入・運用することで、企業は 「リスクの可視化」「迅速な対応」「継続的な改善」 を実現できます。 これは単なるIT上の管理ではなく、経営リスクを最小化し、継続的な事業運営を支えるための仕組みでもあります。
ここでは、その3つのメリットについて解説します。

セキュリティリスクの的確な可視化

脆弱性管理プロセスを通じて、自社が抱えるセキュリティ上の弱点を網羅的かつ客観的に把握できます。
どこに、どのような危険度の脆弱性が、どれくらい存在するのかを可視化することで、感覚的な対策ではなく、データに基づいた的確なセキュリティ投資や対策計画の立案が可能になります。
可視化によって、どのシステムやアプリケーションから優先的に対策すべきかが明確になり、限られたリソースで最大限の効果を得る戦略的なリスク管理が可能になります。

迅速なインシデント対応体制の構築

脆弱性管理は、インシデントレスポンスの向上にも貢献します。
平時から自社のIT資産や脆弱性の状況を正確に把握しておくことで、万が一セキュリティインシデントが発生した際に、影響範囲の特定や原因究明を迅速に行うことができます。
攻撃対象領域を減らし、脅威を無力化するための情報が整理されているため、被害を最小限に食い止めるための初動対応がスムーズになります。

IT資産の網羅的な把握と管理

脆弱性管理を行うためには、まず管理対象となるIT資産を正確に把握する必要があります。
そのため、脆弱性管理の導入をきっかけに、これまで十分に管理できていなかったサーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどの情報を一元的に管理する体制(IT資産管理)が整備されるケースが多くあります。
また、従業員や各部門が独自に導入した未管理のクラウドサービス(シャドーIT)も把握しやすくなり、組織全体での情報資産管理レベルを高めることができます。
これにより、IT資産の抜け漏れや管理不備を防止し、セキュリティリスクを根本から低減できる点が大きなメリットです。
さらに、IT資産が可視化されることで、ライセンス管理や更新作業の効率化、コスト最適化にもつながります。

脆弱性管理を成功させるための重要なポイント

脆弱性管理は、ツールを導入すれば終わりというわけではありません。導入よりも「運用の継続」にこそ難しさがあります。
ここでは、実際の運用段階で成果を出すために押さえておきたい3つの重要ポイントを紹介します。

管理対象となるIT資産を明確にする

脆弱性管理を始めるにあたり、最初に行うべきことは、保護すべきIT資産の範囲を明確に定義することです。
サーバー、ネットワーク機器、PC端末、業務アプリケーション、Webサイトなど、自社に存在する全てのIT資産を洗い出し、台帳などにまとめることが重要です。
管理対象が曖昧なままでは、スキャン漏れが発生し、思わぬ箇所にセキュリティホールが残ってしまう可能性があります。

管理すべきIT資産の主な分類
ハードウェア:サーバー、PC、ネットワーク機器、IoTデバイスなど
ソフトウェア: OS、ミドルウェア、インストールされているアプリケーションなど
データ: 個人情報、機密情報、顧客データなど
サービス: クラウドサービス、外部委託サービスなど

資産台帳を作成する際は、単に機器やソフトを列挙するだけでなく、「管理責任者」や「更新・廃棄の手順」も明記しておくことが重要です。 これにより、インシデント対応時にも責任の所在が明確になり、復旧対応を迅速に行うことができます。

【関連記事】自社は本当に大丈夫?中小企業の情報セキュリティの重要性

脆弱性評価の基準を組織内で統一する

発見された脆弱性の危険度を評価し、対応の優先順位をつける際の基準は、組織全体で統一されている必要があります。
例えば、「CVSSスコアが7.0以上の脆弱性は7日以内に対応する」といった具体的なルールを定めます。
この基準が部署や担当者によって異なると、本当に危険な脆弱性が放置されるといった事態を招きかねません。

また、重大な脆弱性に該当した場合の報告経路や承認フロー(例:情報システム部門 → 管理部門 → 経営層)を明確にしておくことで、対応の遅れや判断のばらつきを防げます。統一された評価基準は担当者の属人的な判断を抑え、経営層や監査部門に対する説明責任の観点でも有効です。

定期的なプロセスの見直しと改善

脆弱性管理のプロセスは、一度決めたら終わりではありません。新たな攻撃手法の登場や、自社のIT環境の変化に合わせて、定期的にプロセス全体を見直し、改善していくことが不可欠です。スキャンの頻度は適切か、評価基準は現状に合っているか、対処のワークフローに問題はないかなどを継続的に評価し、より効率的で効果的な脆弱性管理体制を目指しましょう。
また、定期的な見直し結果を記録し、次年度のセキュリティ計画や教育計画に反映させることで、継続的な改善サイクルを実現できます。
こうした取り組みを継続することで、脆弱性管理は単なるIT施策ではなく、経営リスクマネジメントの一環として機能します。

自社に合った脆弱性管理ツールの選び方

脆弱性管理ツールは、手作業の負担を軽減し、運用の精度を高めるための重要な支援ツールです。
ただし、ツールの導入だけで対策が完結するわけではなく、自社の体制や運用プロセスに合ったものを選定することが重要です。

ツール導入が必要になる目安

脆弱性管理ツールの導入は、企業の人数規模だけで判断されるものではありません。
重要なのは、管理対象となるIT資産の数や種類、そして運用体制の複雑さ・成熟度です。
サーバーやクラウド環境、リモート端末などが混在するようになると、手作業ではスキャンや更新の管理が追いつかなくなります。

IPA(情報処理推進機構)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」でも、「自社ですべてを手動で管理することが難しい場合、ツールや外部委託の活用が有効」と明記されています。
特に、拠点が複数ある企業や、数十台以上のサーバー・PC・モバイル端末を抱える組織では、スキャンの自動化やパッチ適用管理を行うことで、属人的な作業負担を大幅に軽減できます。

このように、脆弱性管理ツールは「大企業向け」だけのものではなく、管理対象が増えた中小企業にとっても、効率的で抜け漏れのないセキュリティ運用を実現するための有効な選択肢といえます。

モバイル端末の管理も重要

近年では、社員が利用するスマートフォンやタブレット端末も業務ネットワークに接続されるケースが増えています。
これらのスマートフォンやタブレットにも OS・アプリの脆弱性が存在するため、脆弱性管理ツールの対象範囲に含めることが望ましいとされています。
MDM(モバイルデバイス管理)などの仕組みと連携することで、端末の更新状況やセキュリティ設定を一元的に把握し、より実効性の高い管理が可能になります。

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では、実際に自社に合ったツールを選ぶ際には、どのような点を確認すればよいのでしょうか。ここからは、具体的な選定の3つのポイントを見ていきましょう。

自社のシステム環境に適合しているか

まず確認すべきは、ツールが自社のシステム環境をサポートしているかという点です。オンプレミスのサーバーだけでなく、クラウド環境(IaaS/PaaS)やコンテナ環境、Webアプリケーションなど、自社が管理対象としたい資産を漏れなくスキャンできるかを確認しましょう。特定の環境にしか対応していないツールでは、管理範囲に穴ができてしまいます。
また、エージェントを各端末に導入するタイプか、ネットワーク越しにスキャンを行うエージェントレス型かも確認が必要です。自社の運用ポリシーやセキュリティ要件に合った方式を選びましょう。

詳細な評価・レポート機能は十分か

ツールの中心的な機能である、脆弱性の評価やレポート機能が充実しているかも重要な選定ポイントです。脆弱性の深刻度を自動で評価してくれる機能や、対策の進捗状況を可視化するダッシュボード、経営層や監査人向けの報告書を自動生成する機能などがあると、運用負荷を大幅に軽減できます。
近年では、ISMSやPCI DSSなどの監査・認証対応にも脆弱性レポートが活用されるため、出力形式や集計機能が柔軟なツールを選ぶことが望まれます。

提供されるサポート体制は充実しているか

ツールの導入後、運用していく中で不明点やトラブルが発生することもあります。そうした場合に、迅速かつ的確なサポートを受けられるかは非常に重要です。日本語での問い合わせに対応しているか、技術的な質問に答えられる専門スタッフがいるかなど、提供元のサポート体制が充実しているかを確認しましょう。
特に中小企業では、導入後に社内で専門知識を持つ人材が不足しがちなため、初期設定支援や運用トレーニングが提供されるベンダーを選ぶと安心です。

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まとめ

本記事では、脆弱性管理の基本から重要性、具体的なプロセス、そして成功のポイントまでを網羅的に解説しました。 脆弱性管理は、巧妙化するサイバー攻撃から企業の重要な情報資産を守るために不可欠なセキュリティ活動です。この記事を参考に、自社の脆弱性管理体制の構築・強化に向けた第一歩を踏み出してください。

あわせて、万が一の被害に備えるために、サイバー攻撃による損害や復旧費用を補償する「サイバー保険」の活用も検討するとより安心です。
技術的対策と経済的備えの両輪で、自社のセキュリティレジリエンスを高めていきましょう。

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参考・出典:
IPA:共通脆弱性評価システムCVSS概説
IPA:ソフトウェア等の脆弱性関連情報に関する届出状況
IPA:情報セキュリティ白書2025
IPA:情報セキュリティ白書2024
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