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2025.6.19 セキュリティ対策

多要素認証(MFA)とは?2FA・2ステップ認証との違いと導入の基本ガイド

多要素認証(MFA)とは?2FA・2ステップ認証との違いと導入の基本ガイド
パスワードだけでは防ぎきれない時代、多要素認証(MFA)の導入が急務です。
本記事では、MFAの仕組みや3つの要素の種類、他方式との違いをわかりやすく解説します。

目次

多要素認証(MFA)とは?仕組みと意味をやさしく解説

多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)は、複数の異なる認証要素を組み合わせて本人確認を行う認証方式です。
サイバー攻撃が高度化する中、パスワードだけに依存しない安全性の高い認証手段として、多くの企業やサービスで導入が進んでいます。

多要素認証とは何か?一文でわかる定義

多要素認証とは、ログイン時などに「異なる種類の認証要素」を複数使って本人確認を行う認証方式です。
主に「知識要素」「所持要素」「生体要素」の中から、2種類以上を組み合わせることで、不正アクセスのリスクを大幅に下げることができます。
たとえば、パスワード(知識)に加えてスマートフォン(所持)を使った確認を組み合わせることで、1つの情報が漏洩しても攻撃を防ぎやすくなります。

なぜパスワード認証だけでは危険なのか

従来のパスワード認証には、さまざまなセキュリティ上の問題があります。
推測されやすい単純なパスワードや、複数サイトでの使いまわし、さらにはフィッシングやマルウェアによる情報の盗難など、攻撃者にとって突破しやすい弱点が多く存在します。
これらの脅威に対して、パスワードだけに頼る認証はもはや限界があると言えるでしょう。

多要素認証が重要視される3つの背景

多要素認証が重要視される背景には、以下のような動きがあります。

①サイバー攻撃の巧妙化
攻撃者は日々手法を進化させており、パスワード単体では防ぎきれない高度な不正アクセスが増加しています。

②テレワークやクラウド活用の拡大
社外からのアクセスが当たり前となった今、IDとパスワードだけではアクセス管理が不十分になるケースが増えました。

③法規制・ガイドラインの強化
日本の個人情報保護法や、欧州のGDPRなどの法制度において、多要素認証の導入が推奨または求められる場面が増えています。

引用:e-Gov 法令検索「個人情報の保護に関する法律
不正アクセス対策とは?企業が取るべき対策の基本&実践ポイントを解説

このような背景から、組織だけでなく個人の利用者にとっても、多要素認証(MFA)の導入が急務となりつつあります。

多要素認証の仕組みと要素の種類とは?

多要素認証に使われる要素は、主に「知識要素」「所持要素」「生体要素」の3つに分類されます。
それぞれの要素には異なる特性があり、組み合わせることで高いセキュリティ効果が期待できます。

多要素認証要素の3分類表

知識要素とは?例と特徴を解説

知識要素とは、パスワードやPINコード、秘密の質問の答えなど、ユーザーの記憶に依存する情報です。
設定や利用は比較的簡単ですが、第三者に知られたり、ユーザー自身が忘れてしまうリスクがあります。
そのため、知識要素だけに頼るのではなく、他の認証要素と組み合わせることが効果的です。

■ 知識要素(本人だけが知っている情報)
  • パスワード
  • PINコード(暗証番号)
  • 秘密の質問とその答え
  • 図形パターン(スマホのロック解除など)

所持要素とは?スマホやトークンの活用例

所持要素とは、ユーザーが物理的に所持しているモノを使って本人確認を行う認証方式です。
スマートフォンによるSMS受信や認証アプリ、ICカード、ハードウェアトークンなどが代表例です。
これらは知識要素と異なり、実際に持っていなければ認証できないため、不正アクセスに対して強力な防御手段となります。
ただし、紛失や盗難、SMSの傍受といったリスクもあるため、導入時には運用面の対策もあわせて検討することが重要です。

■ 所持要素(本人だけが持っているモノ)
  • SMS認証(スマートフォン)
  • 認証アプリ(TOTP/HOTP)
  • プッシュ通知認証(スマホ+アプリ)
  • ハードウェアトークン(USBキーやワンタイムパスワード生成器)
  • ICカード(社員証マやイナンバーカードなど)
  • FIDOセキュリティキー(YubiKeyなど)
※ Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなど、スマホでコードを生成するタイプの認証アプリも「所持要素」に含まれます。

生体要素とは?指紋や顔認証などの特徴

生体要素は、指紋や顔、声、虹彩など、ユーザー本人の身体的特徴を使って認証する方式です。
これらは複製や偽造が難しく、なりすましに強いため、高いセキュリティ効果が期待できます。
また、スマートフォンやPCなどに標準搭載されているケースも多く、ユーザーにとっては手軽で便利です。
一方で、認証精度が環境に左右される場合があり、プライバシー保護や導入コストといった点も考慮が必要です。

■ 生体要素(本人の身体的・行動的特徴)
  • 指紋認証
  • 顔認証(Face IDなど)
  • 虹彩認証
  • 音声認証(声紋)
  • 静脈認証(手のひらなど)

同じカテゴリ要素の組み合わせはNG

多要素認証では異なる種類の認証要素(知識・所持・生体)を組み合わせることが重要です。
同じカテゴリ同士の組み合わせ(例:「パスワード(知識要素)」+「PIN(知識要素)」)では、以下のようなリスクがあります。

  • 情報漏洩やフィッシングなど、同じ攻撃手段で複数要素が一度に突破されやすい
  • 要素が分散していないため、防御の幅が狭まり、効果が限定的
  • 「2回認証しているから安全」という誤解を招きやすい

たとえば「パスワード+秘密の質問」はどちらも知識要素であり、攻撃者に両方を突破されるリスクが高まります。
セキュリティを高めるには、異なるカテゴリの要素(例:知識+所持)を組み合わせることが基本です。

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多要素認証と似た用語の違いに注意

多要素認証(MFA)という言葉が広く使われていますが、「二要素認証(2FA)」や「二段階認証(2ステップ認証)」という似た表現もよく見かけます。
これらは似て非なる概念であり、意味の違いを正しく理解しておくことが重要です。

① 多要素認証(MFA)とは

MFA(Multi-Factor Authentication)は、「異なる種類の認証要素を2つ以上組み合わせる方式」を指します。
たとえば、パスワード(知識)+スマホ(所持)+指紋認証(生体)のように、要素のタイプがすべて異なることが条件です。

例:パスワード+スマホに届く認証コード

特徴:2つでも3つでもOK、要素の「種類」が異なる必要あり
セキュリティレベル:高い

② 二要素認証(2FA)とは

2FA(Two-Factor Authentication)は、MFAの中でも特に「2種類の要素」に限定したものです。
定義上はMFAの一種であり、知識要素+所持要素などの異なるカテゴリで構成されていれば2FAと呼べます。

例:パスワード+ワンタイムパスワード(OTP)

特徴:使う要素は2つ、かつ異なるカテゴリ
セキュリティレベル:高め

③ 二段階認証(2ステップ認証)とは

二段階認証は、「2回の認証ステップを踏む」方式を指します。
ただし、要素の種類が同じでも問題ないため、セキュリティ面では2FAやMFAよりも弱いことがあります。

例:パスワード(知識)+秘密の質問(知識)

特徴:「段階」=プロセスが2つという意味。種類が同じでもOK。
セキュリティレベル:ケースによっては低め

まとめると、セキュリティレベルの高さは以下の順になります。
多要素認証(MFA) > 二要素認証(2FA) > 二段階認証(2ステップ認証)
名称は似ていても仕組みや強度に差があるため、導入時は認証方式の違いをしっかり理解しておくことが重要です。

企業での導入基準:どの組み合わせが推奨か?

企業における多要素認証の導入では、「どの要素をどう組み合わせるか」によって、セキュリティ強度や業務適合性が大きく変わります。
以下の表では、代表的な組み合わせ例をもとに、推奨レベルやリスクの有無を視覚的に整理しています。
導入判断の第一歩として、自社の状況に照らして現状の構成を確認してみましょう。

組み合わせ 認証要素 セキュリティ評価 解説
知識 × 所持 × 生体 パスワード+スマホ通知+顔認証 3要素すべて 極めて強固。社外アクセスや重要システム向けに推奨
所持 × 生体 セキュリティキー+指紋認証 異種要素 パスワード不要のFIDO2など。生体で操作もスムーズ
知識 × 所持 パスワード+SMS/認証アプリ 異種2要素 多くのサービスで採用。業務全般にバランス良く推奨
所持 × 所持 ICカード+スマホ通知 同カテゴリ ⚠️ 強固ではあるが、盗難リスクへの備えが必要
知識 × 知識 パスワード+秘密の質問 同カテゴリ 脆弱性高く、攻撃者によって突破される危険
知識のみ パスワードだけ 単要素 現代の脅威に対しては完全に不十分
生体のみ 顔認証だけ 単要素 ⚠️ 精度次第。補助要素としての活用が適切
所持のみ スマホ認証のみ 単要素 ⚠️ 盗難やSIMスワップなどへの対策が必要

セキュリティ評価の考え方:

  • ◎:極めて強固。重要システムや社外アクセスなどで最も推奨
  • ✅:バランスが良く、多くの企業で導入される推奨構成
  • ⚠️:可だが脆弱性あり。運用や補助対策を検討
  • ❌:同種要素または単要素で推奨されない構成

上記のように、組み合わせの構成によってセキュリティ強度や導入の適性が大きく異なります。
次章では、代表的な多要素認証方式ごとの特徴や使いやすさ、コストについて具体的に見ていきましょう。

多要素認証の主な種類と特徴

多要素認証(MFA)には様々な方式があり、それぞれセキュリティ強度や運用のしやすさが異なります。以下に代表的な6方式を「特徴・メリット・デメリット」で整理します。

方式 セキュリティ性 使いやすさ 導入コスト
①SMS認証 ★☆☆ ★★★ ★★★
②認証アプリ ★★☆ ★★☆ ★★★
③プッシュ通知 ★★☆ ★★★ ★★☆
④生体認証 ★★★ ★★★ ★☆☆
⑤ハードウェアトークン ★★★ ★☆☆ ★☆☆
⑥FIDO認証 ★★★ ★★☆ ★★☆

①SMS認証:携帯電話番号にコードを送るシンプルな方法

SMS認証は、ID・パスワードでログイン後に、携帯電話番号宛に一時的な確認コード(ワンタイムパスワード)を送信し、その入力によって本人確認を行う方式です。

メリット:
・導入が簡単で、多くのユーザーが使い慣れている
・特別なアプリやデバイスが不要
・クラウドサービスや金融系でも広く導入実績がある

デメリット:
・SMS傍受やSIMスワップ詐欺のリスクがある
・電波状況や端末依存で届かないケースも

導入シーン・向いている企業:
・業務システムにログインする際の2段階認証として、初期導入の足がかりに向いています。
・中小企業や個人事業主など、まずは簡単なセキュリティ強化をしたい企業に適しています。

②認証アプリ(TOTP/HOTP):スマホで生成されるワンタイムコード

Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなどのアプリを使い、一定時間ごとに変化するワンタイムコード(TOTP)やカウントベースのコード(HOTP)を入力して本人確認を行います。

メリット:
・オフラインでも利用可能
・SMSよりセキュリティが高い
・導入コストが低く、無料アプリも豊富

デメリット:
・初期設定にQRコード読み取りなどが必要
・機種変更・端末紛失時の再設定に注意が必要

導入シーン・向いている企業:
・Google WorkspaceやMicrosoft 365などクラウドサービスと連携したMFA運用に適しています。
・セキュリティ意識の高いIT企業、士業、広告・制作系企業など、スマホ管理が定着している職場にフィットします。

③プッシュ通知認証:スマホに届く「許可しますか?」の通知で確認

ログイン時にスマホアプリに通知が届き、ユーザーが「承認する」などの操作を行うことで本人確認が完了する方式です。

メリット:
・コード入力不要で直感的に操作できる
・ワンタップで認証完了、利便性が高い
・誤入力によるトラブルを減らせる

デメリット:
・スマホのインターネット接続が必須
・通知遅延や誤承認のリスクがある

導入シーン・向いている企業:
・スマホアプリに慣れている業務現場(例:営業職、リモートワーカー)において利便性が活きます。
・ログイン頻度が高い部門(SaaS中心の運用)に特におすすめです。

④生体認証:指紋や顔など身体的な特徴による本人確認

指紋、顔、虹彩、声紋など、ユーザー本人の身体的特徴を使って認証する方式です。スマホやPCへの搭載が進み、普及も進んでいます。

メリット:
・パスワード不要でスムーズにログイン可能
・偽造が難しく、セキュリティが高い
・ユーザーの利便性が高く、多くの端末で利用可能

デメリット:
・認証精度が環境(照明・湿度など)に左右される
・生体情報は変更できず、漏洩時の対処が難しい
・プライバシー保護の観点から慎重な運用が必要

導入シーン・向いている企業:
・社用端末を配布している企業で、端末自体に指紋・顔認証が搭載されている場合に向いています。
・端末の持ち出しが多い業種(建設・医療・現場管理系)でも、認証の簡便さが効果的です。

⑤ハードウェアトークン:物理デバイスを用いた高セキュリティ方式

USBキー型や液晶表示型の物理デバイスを使い、ワンタイムパスワードの表示やPC接続で認証を行います。

メリット:
・非常に高いセキュリティ強度
・ネット経由の攻撃に対して耐性がある
・パスワードとの併用で防御力を強化可能

デメリット:
・購入コストや導入・管理の手間がかかる
・紛失・故障リスクがある
・持ち運びや物理的保管に注意が必要

導入シーン・向いている企業:
・金融、製造、政府機関など情報機密性が非常に高い業界での利用が多いです。
・オンライン攻撃に強いため、サイバー攻撃リスクが高い企業や部門に適しています。

⑥FIDO認証:パスワードレスで安全性と利便性を両立

FIDO(Fast IDentity Online)は、公開鍵暗号方式によりパスワードを使用せずに本人確認を行う認証規格です。秘密鍵は端末内に安全に保管され、生体認証やPIN、セキュリティキーと組み合わせて認証します。

メリット:
・パスワードを使わないため、漏洩リスクが大幅に低減
・生体認証や物理キーとの組み合わせで高い安全性
・対応サービスが増加しており将来性が高い

デメリット:
・非対応のサービスも多く、導入には環境依存がある
・初期導入に理解と準備が必要
・端末紐づけが前提のため、運用には管理体制が必要

導入シーン・向いている企業:
・パスワード運用の負荷を減らしたい情報システム部門に最適。社内のセキュリティ文化を変えたい企業に◎
・ゼロトラストやSASE導入を見据えた企業、クラウドネイティブな中堅・大手企業に強く推奨されます。

多要素認証を導入するメリット

多要素認証(MFA)の導入は、セキュリティ対策の中でも非常に効果的であり、企業や個人にとって多くの利点があります。以下に主なメリットを紹介します。

セキュリティレベルの大幅な向上

最大のメリットは、セキュリティレベルの飛躍的な向上です。 パスワードのみの認証方式では、漏洩や推測によって不正アクセスが発生しやすくなりますが、MFAでは「知識要素(パスワード)」「所持要素(スマホ等)」「生体要素(指紋・顔など)」といった異種要素を組み合わせるため、攻撃者が突破する壁が増え、不正ログインのリスクを大幅に低減できます。

不正アクセスリスクの低減

多要素認証は、フィッシング詐欺や、MITB(Man-in-the-Browser)攻撃などによる情報搾取からの防御にも効果を発揮します。たとえパスワードが盗まれても、攻撃者が物理的にスマホを所持したり、生体情報を入手したりすることは困難であるため、不正ログインを防ぎやすくなります。結果として、情報漏洩や金銭的被害のリスクも抑えられます。

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多様なサービスへの対応

現在では、Microsoft 365Google Workspace、金融機関のオンラインバンキング、各種クラウドサービスなど、MFAへの対応が標準化されています。 これらでMFAを有効化すればセキュリティを容易に強化でき、SSO※1との組合せにより、複数サービスへの一括ログインを実現しつつ、アクセス管理の一元化とセキュリティ維持も可能になります。

※1 SSO(シングルサインオン)とは、1つのID・パスワードで複数のサービスにログインできる仕組みです。業務効率化とセキュリティ強化の両立が可能で、企業のクラウド利用が進む中で導入が進んでいます。

コンプライアンス要件への対応

企業活動では、個人情報保護法や業界別のセキュリティガイドライン、さらにはISO/IEC 27001などの国際規格への準拠が求められています。これらの要件の中にはMFA導入が推奨または義務付けられている場合もあり、MFAを導入することでコンプライアンスを確保し、社会的信頼性や企業のブランド価値の向上にもつながります。

多要素認証導入のデメリットと注意点

多要素認証はセキュリティ強化に有効ですが、導入や運用の過程でいくつかのデメリットや注意点も存在します。

導入・運用コストの発生可能性

ハードウェアトークンの購入やソフトウェアライセンス費用、維持管理やユーザーサポートなどのコストが発生することがあります。 特に大規模導入や高機能を求める場合、相応の初期・継続コストが見込まれます。

対策:
無料・低コストのソリューション(例:スマホアプリ型認証)やクラウドサービスを活用することで、初期負担を軽減できます。

ユーザーの利便性低下の可能性

ログインステップの追加により、ユーザーが不便さを感じるケースがあります。特に頻繁なログインが必要な業務では影響が大きくなります。

対策:
プッシュ通知認証など操作負担の少ない方式を選ぶ、信頼済みデバイスの登録、ユーザー教育やトレーニングの実施が効果的です。

認証デバイス紛失時の対応策の必要性

スマートフォンやハードウェアトークンの紛失・破損により、ログインできなくなるリスクがあります。

対策:
リカバリーコードの発行・保管、代替認証手段の事前準備、管理者による復旧体制の整備が重要です。

一部サービスやシステムとの非互換性

既存システムやクラウドサービスとの互換性がない場合、MFAの導入が難しいことがあります。

対策:
導入前に互換性確認を行い、必要に応じてシステム改修や代替サービスの検討を行うことが推奨されます。

多要素認証の選び方と導入時のポイント

多要素認証を効果的に導入・運用するには、セキュリティと利便性のバランスをとりながら、いくつかの重要ポイントを押さえることが大切です。

1. 自社のセキュリティポリシーを明確にする

まず、守るべき情報資産と想定される脅威レベルを把握し、自社のセキュリティポリシーを策定しましょう。
これに基づいて、必要な多要素認証の強度や機能、導入範囲を決定することで、無駄のない対策が実現できます。

2. 利用シーンや対象ユーザーを考慮する

社外からのアクセスやBYOD環境、ITリテラシーの高低など、利用シーンとユーザー属性を踏まえて認証方式を選択します。
たとえば、一般社員にはプッシュ通知や生体認証、機密情報を扱う部門にはハードウェアトークンなどが適しています。

3. 認証方式のセキュリティ強度を比較する

SMS認証や認証アプリ、生体認証、FIDOなど、方式ごとのセキュリティ強度を比較します。
強固な方式を選ぶほど安全性は高まりますが、利便性やコストとのトレードオフもあるため、業務影響やリスク許容度を加味した選定が求められます。

4. 導入・運用の容易さを確認する

導入時のセットアップ作業や、運用中のユーザー登録・権限変更のしやすさなど、管理負荷を確認しましょう。
情報システム部門の体制が小規模な場合は、直感的な管理画面や設定ガイドが用意された製品を選ぶと安心です。

5. ベンダーサポート体制を確認する

導入後のトラブルや運用面での質問対応に備え、ベンダーのサポート体制も重要です。
日本語対応の有無、平日・休日の問い合わせ可否、FAQやナレッジベースの充実度などを事前に確認しておくと安心です。

まとめ: 多要素認証による備えとサイバー保険

多要素認証は、従来のパスワード依存認証の脆弱性を補い、セキュリティを大幅向上させる極めて有効な手段です。
仕組みや種類、メリット・デメリットを正しく理解し、自社状況や目的に最適な形で導入・運用することが、サイバー脅威から情報資産を守る上で不可欠です。
しかし、万が一の被害発生に備えることも重要です。事故発生後の損害補償や対応費用に備え、サイバー保険の一括見積で、補償内容を比較・絵検討しておくことをお勧めします。特に、Webサービス等を提供している企業は、インシデントが起こった際のリスク分散が重要となります。
事故発生後の損害賠償や対応費用に備え、サイバー保険の一括見積で、補償内容を比較・検討しておくことをおすすめします。
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また、保険会社が用意している脆弱性診断サービスも利用が可能です。
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よくある質問(FAQ)

Q1. 多要素認証(MFA)と二要素認証(2FA)の違いは?
どちらも「複数の認証要素を使う」点は共通ですが、MFAは3つ以上でもOKで、2FAは「2種類の異なる要素」に限定されます。

Q2. どの認証要素の組み合わせが最も安全ですか?
「知識・所持・生体」の3要素すべてを使う構成が最も強固です。業務やコストに応じて2つでも十分効果があります。

Q3. 2ステップ認証とは何が違うのですか?
2ステップ認証は手順が2段階という意味で、同じカテゴリの要素(例:知識×知識)でも成立します。そのためMFAよりもセキュリティは劣ります。

Q4. MFAを導入する際の注意点はありますか?
コストやユーザーの利便性、紛失時の対策、既存システムとの互換性などを事前に確認することが重要です。

Q5. 個人でもMFAを使うべきですか?
はい。個人利用でもSNSやクラウドサービスの不正アクセスを防ぐため、MFAの利用は強く推奨されます。
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